小児の各種症状
親御さんの方が泣きたいほど辛い方、ご覧ください。
毎晩、夜泣きで起こされて、全然眠れない・・・ | |
ずっとキーキー騒いでる・・・脳の異常?? |
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小学校3年生にもなるのに、未だにおねしょをする・・・ |
小児の症状とは
小児の症状といわれてまず思いつくのが、「夜泣き」、「疳の虫(かんむし)」、「夜尿症(おねしょ)」だと思います。まずは、こちらから説明していきたいと思います。
夜泣き
夜泣きは、お母さんが悩まされるもっともポピュラーな症状であると言ってもいいと思います。赤ちゃんは空腹時やオムツが気持ち悪い時、具合の悪い時に泣いて知らせてくれますが、原因が分からず夜に突然泣き出し、泣きやまないことを夜泣きと呼んでいます。だいたい生後半年から1年半くらいの期間に多く、特に神経質な性格の赤ちゃんに多いようです。
原因ははっきりしていませんが、知能の発達や睡眠バランス、外部からのストレス(やたらかまって遊ぶ)等によるものと考えられており、いずれにせよ、大人たちの心がけで対策できることが多いようです。
疳の虫
かんむしとは、ひどい夜泣きや、ひきつけ、噛んだり物を投げたり、やたら癇癪を起すといった自律神経の乱れによっておこる神経症状の俗称です。昔は、実際に身体の中に虫が入って悪さをしていると考えられたことから、かんむし・疳の虫という名称が現在でも俗称として残っています。
また、かんむしが起こりやすい小児の特徴としては、髪が逆立っている、眉間に青筋がある、顔が青白いといった特徴があります。
原因は、夜泣きとほとんど同じように考えられています。成長とともに、ストレスから心身のバランスが崩れたり、疲労などを感じるようになり、その不快感を表現していると考えられています。
夜尿症(おねしょ)
5,6歳になっても継続的に睡眠中無意識に排尿してしまう症状を夜尿症といいます。継続的でなく、ときたまであれば、夜尿症とは呼びません。
この症状は、身体の発達やホルモンの分泌と密接にかかわるため、成長とともに自然に治癒するケースが多いです。
原因としては、夜間多尿や就寝中の排尿筋過活動、睡眠覚醒障害の単発、もしくは複数の要因が重なることで発症します。夜間、睡眠中に尿を膀胱に十分溜めることが可能になり、尿意を感じてトイレに起きることができるようになれば、夜尿症は改善します。
その他にはどんな症状があるの?
その他にも様々な症状がありますが、基本的には大人と同じように病気をします。もちろん、小児特有の病気や感染症も多いです。が、小児(特に言葉を話せない間)はその症状をうまく表現できないことが多いので、周りの大人たちが注意深く観察してあげることが重要でしょう。
東洋医学ではどう考えるの?
東洋医学では、小児の病は、3歳までは母親の考え方や体質のことを考慮しないと治していけないと考えています。それだけ母と子の関係は深いと考えます。
なので、治療を始める前にお母さんの状態も合わせて細かく聴いていきます。
特に母乳の出方や子供さんへの接し方、お母さんの妊娠中の健康状態、お母さんの食事の傾向など、体質だけでなく充分な愛情を注がれているかどうかなどを、行為を通してお聞きしていきます。
すなわち、そういう基本的なことが病を引き起こしているのだと考えています。
きちんと養生をして、生活習慣を母子共に改善していき、お母さん自身の体調が改善していくこと、これが小児の健康回復の一番近道です。
もし、お母さん自身がそれほど心身共に調子が悪くないのであれば、比較的早期に小児の体調は改善して行きます。なので、母体も含めて治療を受けられることを提案いたします。
症例を一部紹介します 【チック症】
初診日 | 平成20年2月27日 |
患者 | 女性 5歳 107cm 16kg |
主訴 | チック症(眉間、口の周りの習慣性痙攣、手の爪を噛む)熱性けいれん |
病歴 | 1歳で初めての痙攣。拳を握った状態で固まり10日入院する。その後1年から半年に1度、発熱と痙攣を繰り返す。チック症は常に出ており、眉間、口の周りの習慣性痙攣、手の爪を噛む等の症状が出ている |
診断 |
「気」の巡りを悪くし、熱を籠もらせ、特に顔に停滞した為にチック症が現れたと思われる。顔(上部)に偏りが有る為に下半身(下部)が虚ろになり、上下のバランスが崩れてしまっている。上部に偏ると発熱、痙攣を起こしやすい。 |
治療 | 1回の治療で1〜5個の少数のツボ(内間、血海、十井穴、行間など)を適宜選び、刺す事無く、触れるだけの針で治療する。(痛みを感じることなく、「気」の動きやすい子供に有効) |
経過 |
2診目2月28日 チック症が少しマシに見える 食欲が出てくる |
現在の状態 | チック症が和らいだ後、夜尿症や風邪による発熱等、体調管理の為に現在も治療中である。熱性けいれんは、現在に至るまで発症していない |
症例を一部紹介します 【夜泣き・かんむし】
初診日 | 20年11月20日 |
患者 | 男性、生後9ヶ月、8.5kg |
主訴 | 夜泣き、キーキー声を上げる、かみつくなど疳虫の症状 |
病歴 |
一ヶ月前から夜泣きがひどくなり、夜中何度も目が覚める。日中は気に入らないことがあると噛みつく、つねる、キーキー声をあげるなどの症状が現れる。 |
診断 |
家庭環境や肉親の素体の方の影響から体に熱がこもりやすくなり発症 |
治療 |
熱がこもりやすい状態を皮膚表面からの熱を発散させることを目的に 一回の治療で1〜4個の少数のツボ(行間、百会、内関、十井穴、背部散鍼)を適宜選んで刺鍼した(小児の場合、古代鍼=刺さないはりで治療)。 |
経過 |
2診目11月21日 便(柔らかめ、臭いつよい)出る。以後ほぼ毎日出る。3〜5診目 キーキー声は以前として強い。皮膚の乾燥、全身のかゆみ有り。 |
現在の状態 | 現在も環境の変化で悪化することがあるので予防に来院されている。 |
症例を一部紹介します 【夜中にぐずる】
初診日 | 平成19年12月26日 |
患者 | 男性 1歳 65cm 8.5kg |
主訴 | 夜中にぐずる 体が緊張しやすい(ゆるまない) |
病歴 | 仰向けで眠れない 夜泣きはないが、ぐずる事が多い。授乳で落ち着く。母親も同じだったそうで、立つ姿勢が好きで、丸まるのが苦手 |
診断 |
生後間も無いと、体の全ての機能が未発達なので、陳新代謝がうまくいかず、「気」も停滞しやすい。幼児も大人と同様ストレスを受けるので、「気」がさらに停滞し、体の内部に籠もるようになる。籠もったままでいると、幼児特有の、かんむし、夜泣きの症状が出やすい。 |
治療 | 「気」の停滞を失くし、排泄を促す事で内部に籠もらないように治療する。1回の治療で1〜5個の少数のツボ(内間、百会、筋縮、行間など)を適宜選び、刺す事無く、触れるだけの針で治療する。(痛みを感じることなく、「気」の動きやすい子供に有効) |
経過 |
2診目12月27日 顔色良くなる ガスとゲップがよく出る 楽しそう 夜丸くなりながらでも寝る 大便はまだ出ていない |
現在の状態 | 初診時の症状は13診程でほぼ消失し、風邪などの体調管理の為、現在も治療を続けている。 |
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その他様々な症例は こちらから参照いただけます。 |
どうやって治療するの?
当院は、鍼灸専門治療院です。その他の手技や整体・マッサージなどは行わず鍼と灸だけで治療して行きます。
鍼って痛いんですよね・・・怖いです・・・
鍼は一般の鍼灸院で用いる鍼管を全く用いないのでチクリともせず、患部に非常にソフトに刺入することを可能にしました。これにより、3〜5歳くらいの痛みに敏感なお子様でも安心して鍼を受けることができます。
鍼管を使うと、「チクチクして不快な感じがする」と鍼の苦手な方は敬遠されることが多く、また、鍼と皮膚の接触の微妙ななじませ合いが出来ずに治療もうまくいかない最大の原因が生じるので当院では開業時から使用していません。
なお、当院ではすべてディスポーザブル(使い捨て)の鍼を使用しています。
たくさん鍼を打たれるんじゃないかと不安です・・・
一般の鍼灸院では、確かにやたらと鍼をうちますね。全身療法だと言って身体全身に打つことを良かれとしていますが、
当院では全く異なる考えで治療をしていますので、鍼は基本1か所です。多くて2か所。急性の病や熱発していて身体が元気な場合には、その場合だけ5〜6か所に治療する場合もあります。
お灸は熱そうだし痕になりそうで・・・
灸は、一般の治療院では灸点紙というものや、温灸を使って治療するところが多いのですが、治療効果はやはり直接施灸する場合にかなり劣ります。
それでも良ければ、温灸による施灸も選択肢としてありますが、ご自分で施灸する場合にはお勧めしますが、当院での治療は基本的に直接灸です。
ただし、米粒の半分の大きさでチクっとするくらいの刺激です。一瞬で終わりますので安心です。痕がやや残ることはありますのですが、ほとんど足か腰部の目立たないところなのです。
温灸か直接灸かは相談の上となります。