小児のチック、首肩のコリ、疲労感

初診日 平成26年9月3日
患者 男性 9歳 132cm 25kg
主訴

・右首肩のコリ

・チック

・疲労感

病歴

1歳2ヶ月のときにSSSS(フォーエス)というブドウ球菌の全身感染による皮膚炎を発症する。

2年前から夏に異様な疲れを感じるようになる。

首肩のコリがあり、首を動かしたときに「バキッ」という音がする。チック(意図しないで起こる急な運動のこと)があり、家族が心配になる。

診断 1歳という年齢で、全身感染の皮膚炎を生じていることから、もともと生まれつき熱に偏る傾向があることがわかる。2年前にささいな人間関係(友達関係)のひずみからストレスをためこむようになり肝臓の経絡に滞りを生じ熱を生み、肝臓の血をストックする機能が停滞してしまう。それ以降、ストレスにより熱の反応が現れると停滞している肝臓の経絡上にコリがきつくなり解消しようとしてチック症状が現れる。治療は、肝臓の経絡上の滞りを解消することを目的とする。
治療 1回の治療で1〜2個の少数のツボ(照海、神道、百会、神門、曲泉など)を適宜選び、1回の治療で1〜3個の少数のツボを適宜選び刺針した。
経過

初診9月3日 後首から肩のコリがある。動作時に首がなるので心配になる。

2診目9月5日 首が曲がるようになる。

6診目10月10日 元気がでてきた。

7診目10月27日 チックがわりとましになる。

13診目12月3日 調子がいい。肩の凝りはマシになる。

19診目3月16日 この二週間はチックの症状出ていない。

現在の状態 疲労感はなく、肩こりもほとんどない。1カ月から2か月に一度、予防のために来院されている。ストレスをためこむことがあっても、来院するとすぐに解消されるとのこと。

院長のコメント

 生後間もなくから、全身に皮膚炎を起こす子供さんは、当院でもあまり多くはいないが、皮膚炎が肘などに見られたお子さんは結構多いのです。

 幼少期は、肉体がまだ形成されていないので、身体の陽気が余った状態となり熱が行き場を失って皮膚炎となりやすいのです。

 

 原因としては、肺の機能が弱い場合がもっとも考えられるのですが、生まれ持って身体のエネルギーが高く、身体に収まりきらないほどであることが多いのです。

 皮膚炎をされている方は、肌が敏感でとても感受性が高く、また、情報を発信したいという思いも多く、それがうまく発言できないことで身体の不調につながってきます。チック症状は、咳やくしゃみなどと一緒で、身体の上部に滞った熱の表れを発散することが目的です。滞ったものが発散しきれる程度ならすぐに解消されますが、解消されずに蓄積されてしまうと皮膚炎となってしまいます。

 いろんな方法で発散が出来ますが、当院の鍼灸では身体に負担をかけずにピンポイントで処置するので最も早く効果的で、その後のことを考えていける治療法です。