2019/07/08

【身体のためのほっと一息シリーズ30】




「アトピー性皮膚炎について」


なぜアトピー性皮膚炎と心臓疾患が関係あるでしょうか?

一見関係がないように見えますが、実はアトピー性皮膚炎の合併症として心臓疾患は非常に多いです。
さらにステロイド剤を使っている方は、免疫機能が低下しているために、重症化しやすいのです。

実際の症例で解説いたします。

感染性心内膜炎、アトピー性皮膚炎 男性 26歳 独身

生後2カ月の時に頭に湿疹ができ、頭皮がぐちゃぐちゃになって髪の毛が全て抜け落ちてしまう。その後、自然に回復。

 生後半年ごろから頬や顎の周りがじゅくじゅくしてきて、中3年生くらいまでステロイド軟膏による治療をする。

しかし、副作用で顔が真っ赤に腫れあがり入院。何とか高校進学するも、休学。

ステロイドの副作用に関する番組を見て、ステロイドによる治療を一切放棄したため、全身で症状が悪化し、
MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)に感染。
全身の皮膚がぐちゃぐちゃになる。

自宅で温泉療法を開始するが一年で良くならず高校を中退。
温泉療法で少し症状改善するが、3年目の夏に検査で潰瘍性大腸炎が発覚。

病院からはステロイドによる治療を強く勧められるも断り、漢方薬と温泉療法のみによる治療を続ける。
アトピーはましになってきたが、大腸炎が悪化。その後薬物療法を選択。

しかし大腸炎は全く良くならず、アトピーも薬物療法後リバウンドで悪化、再びMRSAにも感染する。
症状が安定してきてからは、自宅で温泉療法を再開するが、大腸炎が悪化。

さらに片方の目に白内障が発症し、視力がほとんど失われてしまう。
目の手術と炎症を抑えるためのステロイド点眼薬で目の症状は良くなるものの、ステロイド点眼薬を辞めた途端全
ての症状が悪化。そして、高熱と下痢で自力で立てないほどになり、救急車で病院に運ばれる。

様々な検査の結果、心臓の僧帽弁に黄色ブドウ球菌が付着していることが判明し、感染性心内膜炎と診断される。
手術を勧められるものの、アトピーとMRSAがひどく手術ができない状態。僧帽弁に付着している黄色ブドウ球菌が、
いつ血液とともに他の臓器に転移しないかが心配。


ステロイド剤は、決して悪い薬ではありません。

人体の生命の危機に一時的に命を救うために、身体に分泌されるホルモンです。元々人体で作られるものなのです。

急激な炎症が起こった際に、いち早く治そうとしてがんばるものです。なので、身体が危急の状態でない時に、
それを使おうとすると免疫能力を損なうほど効いてしまいます。
 
この方の場合、鍼灸治療以外で皮膚の異常に対してもっとも効果的であったのは、家族以外と話をすることや体を動かして発散するなど、ふだんしない自己表現です。

自己表現をすることで、身体の内部に蓄積した熱源が発散され、いったん皮膚に熱が浮き出てきている状態です。

自分の気持ちに気付き、効果的に発散して、身体と精神のバランスを保つのかは、この病気に関して大事なところです。

心臓のように内部に熱を持つところに、こもらせると心臓病になりやすいので、その熱を解消しようと免疫能力を含んだ
精が使われ、過剰に精が消耗していくと、免疫能力が急激に衰えます。

ご自分で出来る治療法としては、適度に歩くことです。痛みがあっても姿勢を良くすることで、かなり改善します。

重病な方ほどこの歩き方は重要です。ただ単に歩くだけでは、全身の負担は大きいので良くないこともあります。

気を出す歩き方を学んでいただくと、室内しか歩かない方も、介護が必要な方もとても楽に動けます。